24日(木)午前中、文化庁事業の支援をいただき、「本物に触れ、感性を磨く」ために、日本芸術院会員で日展常務理事、京都市立芸術大学名誉教授であられる日本画家:山崎隆夫先生に来校いただき、「日本画にふれる in 湯本」を開催致しました。
山崎先生は奥様と一緒に、京都からお出でになり、23日に湯本に入られ、1泊して本日の授業に臨んでくださいました。
今回、先生には①日本画ってどのようなものなのか、②絵を描くってどう考えるのかなどについてご指導いただきました。約3時間半(途中休憩10分)授業でしたが、子どもたちも集中して取り組みました。
◇Part 1「日本画って、どのようなものなのか」
「絵画」は、専門的には、日本画(東洋画)と油絵(西洋画)に分かれること。日本画の絵の具は、藍銅鉱(らんどうこう)・・青色、孔雀石(くじゃくせき)・・グリーン色、珊瑚(さんご)・・ピンク色、胡粉(ごふん)・・白色などのように、鉱石や貝殻、珊瑚等を鉄のすり鉢ですりつぶして粉(岩絵の具と言われる)にし、動物の骨を溶かして固めた「にかわ」を使って、岩絵の具をキャンパスとなる「和紙」に塗っていくことをお話しくださいました。 実際に、藍銅鉱や孔雀石も触れさせていただき、「重い!」と大きさの割りに重さのあることを実感させていただいたり、気づいたり、岩絵の具の粉末やにかわを目にすることができました。
また、混色のことから日本画の特色も次のように話(※藍銅鉱、孔雀石の原石やにかわを手にする子どもたち) してくださいました。「ピンク色を混ぜて作る時、何色を混ぜるか」それは「赤と白」でしょ。色を混ぜ合わせている時はピンク色なのに、実際に和紙に塗ると白色になってしまうのだそうです。それは、貝殻の胡粉から作る白色よりも、鉱石からつくる赤色が重いから、白色が浮いてしまってこのような現象が起きることも教えてくださいました。だから、頭の中で計算しながら色を重ねることが大切だとも教えてくださいました。
さらに、先生がこの日のために岩絵の具で描いてきてくださった「リンゴ」「コスモス」「竹藪と雀」などの「絵」に子どもたちが指で触れ、岩絵の具が重ね塗りされていることや岩絵の具のザラザラ感などを体験させていただきました。
◇Part 2「絵を描くってどう考えればいいのか」
子どもたちは、落ち葉や枝を見ながら、自分の思いを大切にまずは下書きをし、その後、水彩コットン紙に描きました。
先生は、「自分にしか描けない作品を描くことが大切である。このように描いた作品が素晴らしいものになる。」「構図を考えるとき、縦長、横長、を使い、画面を埋めていくことが大切」「枝を触ったら痛いだろう。その痛さを描くんだ。」などを一人一人に丁寧に教えてくださいました。また、水彩絵の具で着色後には、先生よりできあがった作品についてコメントをいただきました。