日誌

体験が言葉をとおして経験に変わる瞬間~人間と魚の垣根を越えた友情が芽生える!?~

 小プールでは、あれほどまで激しく戦い合い、抵抗し合ったYくんと5匹の鯉たち。お互い命がけでぶつかり合っていました。ところが・・・・・

 “湯本小イケスの奇跡”キラキラ

 目を疑いました!志村けんさんばりの二度見をしました!!そこで目にした光景とは・・・!?

 なんと、あれほど激しくぶつかり合っていたYくんが、鯉たちの顔や頭、体をやさしくなでているではありませんか!そして、鯉たちも逃げることもせず、穏やかになでられ、心なしか気持ちよさそうに、Yくんの足に口や体をやさしく押しつけながら、ゆったりと優雅に泳いでいるのです。

 もしかして、Yくんに恋しちゃった?鯉だけに??ピース

 Yくんも先ほどとはうって変わって、やさしい穏やかな笑顔を浮かべながら、何か大切なことに気付いたかのように、ぽつりぽつりと言葉をつむいでいきます。

「こっちが攻撃的だとあっちも攻撃的になるけど、こっちが友好的になるとあっちも友好的になるよね」

「こっちがこわいと思う気持ちがあっちにも伝わって、あっちもこわくなっちゃうのかもね」

「やさしさは本当に伝わるんじゃないかな?」

 他にも素敵なことをたくさん言葉にしてくれていました。言葉にならない感覚レベルの体験が、言葉をとおして経験に変わる瞬間に立ち会うことができました。本当の、真にあるべき“体験”の姿を垣間見せてもらうことができました。Yくんが気付いたことは、友達や仲間との関係にも、そして、国境を越えた関係にも敷衍できることだと感じます。生き物とのかかわりという体験をとおして、道徳的価値に気付き、深めることができた姿そのものだと思いました。