日誌

2020年3月の記事一覧

令和元年度末人事異動についてのお知らせー取り急ぎご連絡までー

 この度の教職員人事異動等により、湯本小学校より下記の5名の先生方が転出・ご退職することとなりましたので、お知らせします。


 [ 転出・ご退職 ]
 ☆ 校 長  中野 直人  いわき市立赤井小学校へ
 ☆ 教 諭  熊田 勝市  天栄村立大里小学校へ
 ☆ 講 師  森島 美雲  いわき市立夏井小学校へ(新採用)
 ☆ 養 教  長尾明日加  新地町立福田小学校へ(新採用)
 ☆ 調理員  佐藤 則子  ご退職

名残雪で雪化粧ー卒業式から一夜明けてー

 今朝の湯本は、名曲『なごり雪』が聞こえてきそうな雪で一面真っ白。昨日の卒業証書授与式の晴れた空とうって変わって、冷たく寒い朝を迎えました。暖冬だった冬が降らし忘れた雪を、ここぞとばかり降らせているかのようでした。たくさんの“名残惜しさ”が、空からたくさん降っているようにも感じられました。

 現在は晴れ間も見られ、暖かな春の日差しが降り注ぎ始めました。一面真っ白だった“名残”雪も、あっという間に解けています。ただ、湯本小学校の校舎や先生方の心の中の“名残雪”は、しばらく解けそうもありません。別れの寂しさが、湯本小学校全体を包んでいるような感じがします。

 さて、「なごり」という言葉ですが、「名残」は当て字だそうで、「余波」という漢字が当てられるそうです。個人的には、震災を思い起こさせる言葉にも見えますが・・・。「余波」は「波が打ち寄せたあとに残る海水や海藻」を意味する「なみのこり(波残り)」が短縮変化してできた言葉で、「余韻や影響など何かの事柄の後に残るもの」を「なごり」と言うようになったそうです。

 改めて、卒業生5名が卒業という旅立ちに際して残していった余韻や影響は、計り知れないくらい大きくて偉大なものだったことに気付かされます。しばらくは、思い出の場所や品々から「波」のように寄せては引いていく卒業生5名の“名残”に身を任せて過ごす日が続きそうです。

 昨日は透き通る青空を背に輝いて見えた二岐山が、今朝はまったく見えなかったのは、雪のせいだけではなかったのかもしれませんね・・・。

Towards a shining future!ー ホームメイド ザ 卒業証書授与式 ー

 本日3月23日(月)、新型コロナウイルス感染拡大防止の趣旨を踏まえ、感染防止の取り組みを徹底しながら規模を縮小しつつ、令和元年度天栄村立湯本小学校卒業証書授与式を挙行致しました。

 様々な制限のある中でも・・・

手作り感漂う湯本小学校ならではの卒業式。私たち湯本小学校教職員の心尽くしの卒業式。湯本小の自慢の“おもてなしの心”がいっぱいつまった卒業式。小さなお弁当にたくさんのおかずをいっぱい詰め込んだ、そんな卒業式を卒業生5名とそのご家族のみなさまに味わっていただきたく、湯本小学校の先生方みんなで準備させてもらいました。

 さて、卒業生5名のみなさん、そして、ご家族のみなさま、卒業式はいかがだったでしょうか。

 今日もまた、6年間湯本小学校を大好きでいてくれた卒業生5名のみなさんと、6年間湯本小学校を支えてくださったご家族のみなさまには、たくさんの幸せをいただきました。本当にありがとうございました。

♪ 愛を込めて卒業式を ♪ ー アットホームでハートフルな卒業式会場ほぼ完成! ー

 3月23日(月)挙行される湯本小学校卒業証書授与式の会場がほぼ完成しました。先生方の“愛”がたくさんこもった、手作りの温かさを感じる素敵な会場となっております。

 「ほぼ完成」しておりますが、まだ完全に完成したわけではありません。そうです、卒業式当日、この会場に6年生5名みんながいてくれて、はじめて完成です。

 ですから、6年生のみなさんには、何よりも健康と安全を第一に考えて、23日(月)までを過ごしてほしいと、心から願っております。

 ♪ 「さよなら」は悲しい響きだけど 君となら愛の言葉  ♪  Mr.Children 『空っ風の帰り道』より

 23日(月)は、たくさんの、本当に寂しい、悲しい「さよなら」を伝えなければいけない卒業の日です。でも、大好きだった6年生、大好きでいてくれた6年生との「さよなら」は、きっと「愛の言葉」にできると思っています。またきっと会える「さよなら」だと思っています。

 湯本小学校の全員が、6年生5名に「ありがとう」と「さようなら」を心から伝えたいと思っています。ですから、6年生のみなさんには、23日(月)に元気と笑顔いっぱいで、湯本小学校に来てくれることを願っています。

 とりあえず、三連休、繰り返しになりますが、健康と安全第一でお過ごしください。

一番Happyな日でありますように☆ーお誕生日おめでとう!ー

 明日お誕生日の〇くんへ1ツ星

 

 お誕生日おめでとうございますお祝い学校のみんなで「Happy Birthday」の歌をプレゼントしたかったのですが、残念です。みんなでお祝いすることはできないけれど、湯本小学校の先生方やお友達みんな、〇くんが明日お誕生日だっていうことを忘れていませんよ。湯本小学校の一人一人が、〇くんのお誕生日のこと、ポカポカな午後の昼下がりのもと、それぞれの場所でお祝いしています。湯本小学校みんなの思いが、〇くんに届くといいな。

 そして、〇くんが、この世に誕生した日が、〇くんにとって一番幸せな日となることを祈っています。

 Happy Birthday,〇くん!これからもどうぞよろしくお願い致します。

新聞記事より-鈴木淳一県教育長からのメッセージ-

 昨日3月17日(火)の新聞記事に、「一斉休校 子どもへの思い」というタイトルで鈴木淳一県教育長のメッセージが掲載されていました。鈴木県教育長が「伝えたいこと」として・・・

 ・規則正しい生活で心と体の健康維持を

 ・適度に運動や外遊びを取り入れて

 ・将来の目標をメモにしてみる

 ・新聞や本を読んで物事を考える機会に

 ・手伝いは親子のコミュニケーション

の5つにまとめられていました。

 例年通りの年度末の流れに乗れなことからくる不安、新型コロナウイルス感染拡大に対する不安、生活の制限による友だちなどいつも隣にいた人たちと会えない不安、先行きが見通せない不安・・・挙げたら切りが無いくらい、特に子どもたちを取り巻く不安は、子どもたちの心や体に暗い影を落としています。だからこそ、こうした不安をみんなで対話や会話を通じて(上手に表現できなかったり、うまく伝えられなかったりして)言葉で共有することが大切なのではないか、と鈴木県教育長のインタビュー記事を読みながら感じました。不安ははっきりとした対象をもたない(なんとなく不安みたいな)と言われています。でも、100%ぴったりではなくても言葉にすることによって、それらの不安のいくつかは共有できるようになると思います。言葉にした不安を誰かに共有してもらえれば、“自分一人だけ”という感覚は薄れて、少しは楽になれるように思います。ぜひ、ご家庭でもちょっとした時間にp4cで“あーだこーだ”言い合ってはいかがでしょうか。

 卒業式に対する対応の仕方も、それぞれの都道府県や市町村で異なるようです。もしかすると、どの学校も同じ考えあるいはスタンスかもしれませんが、ここ湯本小学校は、やはり卒業生への気持ちや心を“形”にして伝えることを一番大事にしたいと思っています。その一つとして・・・

卒業生5名の6年間の思い出をDVD(ムービーメーカーにより作成)にしました。サプライズのプレゼントにしようと思っていましたが、どうしても6年生への感謝の気持ちと完成の喜び・・・とにかくたくさんのプラスの感情や気持ちを早く共有したいと思い、誘惑に負けてアップしてしまいました。

 どんな内容になっているか、知りたくありませんか?気になってきましたよね?

 でも、そこまでは教えられません。ひ♥み♥つ♥です。

 卒業生の5名のお友達とそのご家族のみなさん!ぜひ楽しみに待っていてください。

How are you,6年生 ?ー“これまで”と“これから”ー

 暖かな日差しで晴れ、ちょっとだけ眠気を誘われる昼下がり、6年生のみなさ~んグループ、いかがお過ごしですか?

 臨時休業が決定する直前に行った、最後の(最後になってしまった)p4c、覚えていますか?

 問いは「どうして中学生にならなきゃいけないの?」でした。別れの寂しさや悲しさ、旅立ちに際しての不安、一方で、新たな出会いへの期待、新しい自分探しへのワクワク感等々・・・、6年生のみなさんが、抱え切れないほどたくさんのもの・ことを思い、考えながら卒業を迎えようとしていることを感じました。

 “これから”やってくる友達や仲間、先生たちとの別れを悲しむことができるのは、きっと“これまで”の湯本小学校での6年間で、たくさんの人がみなさんを大好きになって、みなさんがたくさんの人を大好きになれたからだと思います。“これから”の新たな出会いや自分の新しい可能性に胸を躍らせることができるのは、“これまで”の出会いや自分が、きらきら輝く素敵な出来事に彩られているからだと思います。

 過去と未来の間・・・

 今を輝かせるのはきっと・・・

 たくさんの素敵な思い出という“これまで”と・・・

 素敵な出会いや出来事が待っている“これから”への期待・・・

 今を輝かせるみなさんの新たな物語の1ページ目はきっと・・・

 湯本の、春の桜に負けない満開の笑顔からのスタート!

 不安と期待を両手に抱えていても、“これまで”と同じように一緒に持ってくれる新しい友達や仲間との出合いが、きっと“これから”待っています。

 もちろん、“これまで”の一部、湯本小学校の仲間や先生方は、いつだってその不安と期待という、もしかしたらちょっと“重い”かもしれない“思い”を、持つお手伝いをする準備はできていますので、安心してください。

 

 最後になってしまったp4cの6年生の感想です。素敵な感想をありがとうございます!(原文のまま)

 今日のp4cは、〇〇ちゃんの問いでやりました。私はこの問いを見て、「なるほどー」と思います。「中学校になったら何が待っているのだろう」と今からワクワクしています。私は、「どうして中学生にならなきゃいけないの」かというと、大人に近づくためだと思いました。なぜかというと、ずっと小学生のままだと勉強したのに、中学生でいかすことができないからです。今日、小学校卒業を考えて、すごく悲しくなってしまいました。みんなと過ごす時間を大切にしたいと改めて思うことができました。p4cがもうできなくなると思うと、すーっごく、悲しくです。やるときは私を呼んでください。p4c楽しかったです。

 もちろん、いつだってwelcomeです了解

 

読書のススメ[号外]~臨時休校だからこそ本とじっくりと向き合うのもいいですよね!~

お知らせ湯本小学校のみなさんへお知らせ 

 湯本小ビブリオ館より、本日まで2冊の本を紹介させていただきました。

 もし「興味がある!」「読んでみたい!」というご希望があれば、学校に準備してございますので、湯本小学校までご一報いただければ、対応させていただきます。

 これからも、臨時休業中、可能な限り、湯本小学校のみなさんが、おうちの方と一緒に楽しめる本を、小出しに可能な範囲で紹介できるように頑張りますピース

読書のススメ②~臨時休校だからこそ本とじっくりと向き合うのもいいですよね!~

 前回は、思い余ってかなりの長文になってしまい、申し訳ありませんでした興奮・ヤッター!

 というわけで、気を取り直して、本日も湯本小ビブリオ館より、1・2年生の子どもたちに向けて、オススメの本を紹介したいと思います1ツ星本日紹介するのは・・・

『ぼくのジィちゃん』 作:くすのき しげのり 絵:吉田 尚令 発行元:佼成出版社

です。今回も くすのき しげのり さんの作品となりますが、ぜひご家族で手に取って読んでいただき、ドキドキと笑顔、疾走感、そして、ほんわかなあったか~い感動を味わっていただきたいと思っています。

 

 主人公の運動会を見に、田舎から「ジィちゃん」がやってきます。おかしなT(ティーじゃなくテー)シャツを着て、にこにこ笑っている、ちょっと格好悪い「ジィちゃん」(実は「ジィちゃん」には、主人公が知らないものすごい秘密があるんです!)。

 「PTAクラスたいこうリレー」の選手に決っている「とうさん」と、クラスで一番走るのが遅い主人公は、走る特訓をしますが・・・

「ぼくは、また ビリに きまってる。いやだなぁ・・・。」

 田舎からやってきた「ジィちゃん」にも主人公は教えを乞います。子どもの頃走るのが速かったっていう「ジィちゃん」が教えてくれた速く走るためのコツは・・・

「右足を前に出したら、次は左足を前に出す」・・・えっ!?それって当たり前のことじゃなくて???

 

 運動会当日。主人公は思った通りビリ。ふさぎこむ主人公に追い打ちをかけるように「とうさん」の仕事場から連絡が入り・・・「とうさん」は会社に向かわなければならなくなって、リレーにも出れなくなり・・・。

 アンカーはどうするの!?相手チームのアンカーは、元陸上選手のボルトばりのムキムキな「ハヤトくん」のお父さん。急にアンカーを引き受けてくれる人も見つからない・・・。

 とそのとき、ピンチヒッターとして立候補したのが・・・「ジィちゃん」!?ていうか、「ジィちゃん」!走れるの?走ってもし転んだら?もう負け決定!?

 果たして、主人公と「ジィちゃん」の運命は・・・!?

読書のススメ①~臨時休校だからこそ本とじっくりと向き合うのもいいですよね!~

 学習に関するデジタルコンテンツやデータベースの紹介が続きましたので、思考回線にっこりをデジタルからアナログに換えて・・・

 湯本小ビブリオ館(本日より期間限定ではじめてみました・・・)より、今回は卒業を間近に控えた6年生やおうちの方々にオススメしたい一冊をご紹介します。

 『海の見える丘』(絵本版) 作:くすのき しげのり 絵:古山 拓 発行元:星の環会

 本日3月11日で、東日本大震災から9年が経過します。

 新聞に掲載された 内堀 雅雄 福島県知事の『2020年3月11日のメッセージ』には、「希望に満ちた魅力ある豊かな福島の未来」を切り拓いていこうとする「復興・創生」への力強い意思が込められているのがわかります。その中で内堀知事は、確実な復興への途行を振り返りながら、“取り戻したもの”、“取り戻しつつあるもの”、“未だ残されているもの”、“薄れゆくもの”について語っていらっしゃいます。特に印象深く感じられるのが、「根深く残る風評」がある一方で、「薄れゆく関心」となっているのも事実であるという内容。

 「震災から10年目、『令和』という新しい時代」だからこそ、もう一度震災について様々な視点から真剣に考えてみる必要があるのではないか。そのような気持ちで内堀知事の『メッセージ』を拝読させていただき、14時46分を迎えました。

 この『海の見える丘』では、物事を「俯瞰」することについて、時に「俯瞰」することの大切さを感動的に、読者に伝えてくれます。

 人生という名の旅の終着駅と決めた町で、「キャプテン」と呼ばれるひとりの画家は、町の誰に対しても「おだやかな笑顔」でやさしく「親切」に接します。

 けがをしたおばあさんのかわりに、年老いた犬の散歩を笑顔で引き受ける「キャプテン」・・・

 けんかをする夫婦のそれぞれの言い分に、ふたりが納得するまで真剣に耳を傾ける「キャプテン」・・・

 子どもたちにせがまれれば、子どもたちが満足するまですてきなお話を聞かせてくれる「キャプテン」・・・

 身寄りのない病気になってしまった人を献身的に看病する「キャプテン」・・・

 何度も同じことを話す老人に、何度でも初めて聞くかのように接する「キャプテン」・・・

 町の人の相談にいつだって笑顔で対応する「キャプテン」・・・

 そんな「キャプテン」が唯一それらのお礼としてお願いするのが、画家として好きな色で家を塗らせてもらうこと。それだけでした。そのような生活を続け、いつしか「キャプテン」は歳を重ね、病の床につきます。そんな「キャプテン」のもとには、お世話になった町の人たちがお世話に訪れ、思い出を語り合います。そして、「キャプテン」とのお別れの日が訪れるのです。「キャプテン」は臨終の際に、最後に木を植えさえてもらった牧場主に、自分のお墓の場所をお願いします。その場所は、誰も近づかない森を越えた町外れの「丘の上」。町の人たちは、お世話になった「キャプテン」のために、みんなで「キャプテン」の柩を担いで暗い森の中を進んでいきます。そして、森をぬけ、丘の上で町の人たちが目にしたものは・・・!?

 「人は、自らの人生を俯瞰するとき、そこに何を見るのでしょうか。」

作者 くすのき しげのり さんのこの問いかけは、震災や原発の問題によって「幾多の苦難」と向き合ってきた福島にすむ私たちに、「優しさ」や「チャレンジ」することの意味、「震災から学んだこと」、そして、「日常」という「かけがえのないもの」について、改めて考えてみることを促します。9年という時間が与えてくれる「俯瞰」の視点から、それらを振り返って考えてみたとき、また違った見方や考え方が私たちの中に生まれ、もしかすると、「根深く残る風評」に立ち向かい、「薄れゆく関心」にあがない、真の「復興」へとつながる“奇跡”の力を与えてくれるような気がします。

 俯瞰の先に見えるのは、強力なエネルギー「ふくしまプライド。」なのかもしれません。

 6年生のみなさんにも、湯本小学校の6年間を、難しいですが「俯瞰」してみてほしいと思います。今まで見えなかった大切なことが見えてくるかもしれません。